シンガポール屈指の観光地、アラブストリート。異国情緒漂う必見スポットですが、初めての方はおすすめ観光スポット、レストラン・カフェなどで迷っているのではないでしょうか。
そこでこの記事では、アラブストリートの完全ガイドとして
- アラブストリートの行き方
- アラブストリート(カンポングラム)の歴史
- おすすめ観光スポット
- おすすめカフェ&レストラン
などを在住ライターのSaekoがご紹介します!
アラブストリートへの行き方
アラブストリートへの最寄り駅はMRTグリーンライン、またはダウンタウン線のブギス駅(Bugis MRT)です。ブギス駅のB出口を出て、北東に徒歩約5分ほどまっすぐすすめば、カンポングラム地域につきます。
バスで行く場合は2、12、33、133番のバスを使用してください。
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▼アラブストリートの地図はこちら
カンポングラム(アラブストリート)の歴史を知ろう
他のシンガポールの地域とは違いイスラム色の濃いアラブストリート周辺の地域、カンポングラム。通りを歩くと、モスクや中東料理など異国情緒がたっぷり。
なぜこのあたりにイスラム文化が根付き、アラブストリートと呼ばれるようになったのでしょうか?
時代は19世紀前半、シンガポールがイギリス領植民地だった頃にさかのぼります。
アラブストリートは、イスラム教徒のニーズに答える輸出入ビジネスの繊維商人たちが商いをする通りでした。商人たちの中でアラブ人が多かったためアラブストリートと呼ばれるようになります。
1819年にイギリス人がシンガポールを植民地化する以前は、カンポングラムにはシンガポールのマレー貴族が住んでいました。植民地初期の政策によってシンガポールの土地はヨーロッパ人、中国人、マレー人、アラブ人を含むさまざまな民族グループに従って分割されます。その際、カンポングラムは主にイスラム教徒であるマレー人(マラッカ、リアウ諸島、スマトラからのマレー人も含みます。)とアラブ人のコミュニティに指定されました。
現在に続くカンポングラム、アラブストリートの原型が19世紀に培われたのです。
アラブストリートのおすすめ観光スポット
さて、アクセスと歴史がわかったところで、次はアラブストリートのおすすめ観光スポットをご紹介します!
サルタン・モスク
アラブストリートに訪れたら必ず目に入るサルタン・モスク!サルタン・モスクは1928年に建設され、シンガポールで最も有名なモスクとなります。
観光者に開放されている時間帯は10:00~12:00、14:00~16:00(金曜日は開いていません)と短いため、訪れる際は時間に気をつけてください。(とはいえ、外観だけを見るならいつでも来てOKです!)
(注意)コロナ以前は一般見学者にも開放されていましたが、現在は礼拝者のみのアクセスとなっています。現段階でいつ観光者の入館が許可されるかの見通しは立っていない状況です。
追記:コロナが落ち着き、観光客の見学も再開しました!
もう一点、入館において気にかけたいのは服装です。イスラム教のモスクでは、露出の多い服装はNG。肌を隠す礼拝服を無料で借りることができますが数に限りがあるため、長ズボン、一枚羽織るものをもって行くことをおすすめします。
基本情報
名称 | サルタン・モスク Sultan Mosque |
営業時間 | コロナ禍のため現在礼拝者のみに開放 |
住所 | 3 Muscat St, Singapore 198833 |
Masjid Malabarモスク
サルタン・モスクから歩いて数分のところにあるマラバー・モスク。1963年に建てられたので50年以上の歴史があります。
サルタン・モスクはマレー系イスラム教徒が建設したのに対して、マラバー・モスクはインドの南部ケララ州のイスラム教徒によって建てられました。そのため、デザインが全く異なるのが興味深いですよね。
基本情報
名称 | ムラバー・モスク Masjid Malabar |
営業時間 | 現在リノベーション、コロナ禍のため閉館 |
住所 | 471 Victoria St, Singapore 198370 |
ハジレーン
アラブストリートを訪れるなら、絶対見逃せないのがハジレーン(Haji Lane)です!
約200mほどの短い路地ですが、シンガポールの原宿と呼ばれたり、かわいい雑貨屋さんやアパレルショップなどの若者文化が密集している旬スポットです。
アラブストリート周辺のイスラム文化が濃いエリアと異なり、洋風のカフェやおしゃれな古着屋さんなどが並んでいます。
洋風のカフェがたくさんある中、さすがアラブストリート周辺トルコスイーツのお店も見つけました。
またハジレーンにはたくさんのストリートアートがあるので、見ているだけでも楽しくなります。たくさんの人が記念撮影をしていたり、中には結婚写真を撮っているカップルにも遭遇しました。
ハジレーンは夜になると飲み屋さん通りになるため、朝は多くのお店が閉まっています。
お店をじっくり見たい方は午後から夕方、夜の活気のあるハジレーンを見たい方は夕方から夜に行くことをおすすめします。
▼ハジレーンの住所
マレーヘリテージセンター
マレーヘリテージセンターはシンガポールにおけるマレー民族の歴史や文化を紹介する博物館です。
かつてマレー人のスルタン王が住んでいた王宮を改装し、博物館として一般公開しているので、なんともいえない優雅さが感じられますね。マレーヘリテージセンターの前庭にはベンチも用意されているので、一休みするにも最適です。
マレーの習慣に習い、靴を脱いで参観となります。
民族衣装や装飾品などの展示が楽しめます。また、1920年代まで一般的な娯楽だったマレーオペラや、その後発展した音楽・映画などの展示もあり、マレー文化に関心のある方は楽しめるかと思います。
1時間以内で見て回れる博物館なので、ショッピングの休憩がてら訪れてみるのがおすすめです。
基本情報
名称 | マレー・ヘリテージ・センター Malay Heritage Center |
営業時間 | 月曜日を除く10:00~18:00 |
住所 | 85 Sultan Gate, Singapore 198501 |
料金 | 大人 8 SGD、学生 5 SGD、6歳以下幼児 無料 |
アラブストリートのおすすめランチ&カフェ
アラブストリートは観光だけじゃありません!実はグルメも大変美味なんです。ここでは個人的におすすめするアラブストリート近辺のレストランやカフェをご紹介します。
ZAMZAMのムルタバ
せっかくアラブストリートに来ているのだからイスラム料理が食べたい!という方には100年以上の歴史をもつシンガポールの老舗、ZAMZAM(ザムザム)がおすすめ!
イスラム教徒インド人が1908年にお店をオープンしてから、現在まで同じ場所でお店が続いています。
ZAMZAMという名前はイスラム教の聖地メッカにあるザムザムの泉から名付けたようで、店内にはアラビア語の刺繍や、モスクの写真などがたくさん飾られています。
お店は1階、2階がありますが、2階にのみエアコンが効いているのでどうしても暑いのが苦手!という方は2階をリクエストしましょう。
ZAMZAMの看板料理は、イスラム風お好み焼きと呼ばれるムルタバ(Murtabak)です。
ムルタバとはアラビア語で“折りたたまれたもの”を意味し、バターたっぷりの薄い生地に野菜やお肉などの具材を載せて鉄板で焼いた料理。マトン、シカ、チキン、ビーフ、ツナ、サーディンの6種から選べます。
この写真はチキンムルタバ。カレーときゅうりが一緒についてきます。かなり大きいので、女性一人で食べるなら一番小さいサイズを選ぶのがおすすめです。
パクッと一口食べると・・・
バターがたっぷり入った生地が、外側のカリカリ感と味の深みを際立ててくれます。
なかの具材にはすでにスパイスで味付けがされているので、そのままセットで付いてくるカレーをかけずに食べてもおいしいですよ。
アラブストリートの ZAMZAMのムルタバ。定番ですが間違いないので、ぜひ食べてみてください。
基本情報
名称 | ZAMZAM |
営業時間 | 7:00~23:00 |
住所 | 697-699 North Bridge Rd, Singapore 198675 |
ハジャ・マイムナ・レストランのマレー料理
アラブストリート周辺でローカルのマレー料理を試したい方には、Hjh maimunah(ハジャ・マイムナ・レストラン)がおすすめです!「ナシパダン」と呼ばれるマレー式定食が味わえるお店になっています。
お店に入り、向かって右手にカウンターが有り、マレーおかずがずらーっと並んでいます。
選んだおかずによって金額が変わるので、プレートを作ったあと会計時に最終的な金額がわかります。私がこの日オーダーしたのがこちら!
お魚1種、野菜2種のおかずで7SGDのお会計でした。かなり辛そうな見かけをしていますが、程よいピリ辛で日本人でも楽しめるスパイシーさです。
Hjh maimunahはかなりの人気店なので、お昼のピーク時にはいつも行列ができています。行列に並びたくない方は11時半~13時あたりの時間帯は避けたほうがいいでしょう。
基本情報
名称 | Hjh maimunah(ハジャ・マイムナ・レストラン) |
営業時間 | 日曜日を除き7:30~19:30 |
住所 | 11 Jln Pisang, Singapore 199078 |
all things delicious(カフェ)
アラブストリート歩きに疲れたら、all things deliciousで一休みしましょう。
一見西洋風でイスラム教の影響は感じられませんが、さすがアラブストリートにお店を構えるだけあり、Halal認証をとっているカフェなんです。
名前の通り、店内のカウンターにズラーッと並ぶ焼き菓子、ケーキはどれもおいしそう・・・!ちなみに、ケーキや焼き菓子だけではなく、ランチやブランチセットなども提供しています。
店内は落ち着いており、ヨーロッパのような雰囲気です。
私が注文したのはこちら!
Raspberry Mint Lassi (7.6SGD) とクリームブリュレ (9.9SGD)です。
ラッシーはラズベリーとミントの組み合わせが少し珍しいかも?他にもバナナ×グラノーラ、ライチ×ジンジャーなどもありました。
空調も効いていたので一休みするには最適なカフェです。
基本情報
名称 | all things delicious |
営業時間 | 月曜日を除く8:00~18:00 |
住所 | 34 Arab St, #01-01, Singapore 199733 |
アラブストリートのおすすめお土産
続いては「お土産はどこで買うのがおすすめ?」という方に、私の一押しをご紹介します。
お気に入りの香水が見つかるSifr Aromatics
アラブストリート周辺をぶらぶらしているとたくさんの香水屋さんを見かけると思いますが、今回ご紹介するのはSifr Aromatics(シファーアロマティクス)!
たくさんのアラブストリート周辺の香水店が「香水瓶のデザイン」に重きをおいているのに対し、Sifr Aromaticsでは「香り」に焦点を当てています。
店頭に並ぶ香水の香りはかなりユニーク。しかもなんと、Sifr Aromaticsでは香水調合師と話し合いながら、自分の好みに香水を作ることができるんです!棚にズラーッと並んでいる小瓶のひとつひとつが異なる香りの材料になります。なかには日本の陸奥りんごの香りなど、「そんなのあるの!」という驚きの香りがあったり。
料金は90分で250SGD。このワークショップにはオンラインからの予約が必要なので注意してください。(予約はこちら)
私が訪ねたときは約15種類ほどの香水が並べられていましたが、目を引かれたのはTobacco Seaと名付けられたこの香水。
タバコの花、サフロン、シダなどの香りがミックスされているようです。
香りだけでなく、香水瓶にもこだわりたい方は高級感のあるデコレーション瓶もおすすめです!
店頭に並んでいる香水を見て回っていると、ひとつ驚きの材料を発見しました。
透明な涙型のケースに入っている小さい石のようなものが実はクジラの嘔吐物なんです。「Whale Vomitの香りを嗅ぎたいです」と頼むとケースを開けて嗅がせてくれます。笑
香りとしては、ちょっとミネラル風というか、芳醇な香りというか・・・。ローズなどの香りとよく一緒に使われるらしいです。
また、Sifr Aromaticsでは香水だけでなく、香りつきのキャンドルやボディバームも販売しています。
Sifr AromaticsのスタッフさんであるSuhailさんが面白いことを教えてくれました。
アラブストリート周辺で有名な香水店ジャマールカズラアロマティクスや、ほとんどの香水店はSifr Aromaticsの経営と同じ家族が営んでいるということです。
Sifr Aromaticsで働く前はジャマールカズラアロマティクスで働いていたというSuhailさん。香水のプロですので気になる香りがあればすぐに彼に声をかけてみてください。
14年の香水調合師の経験を持つ彼が好みに合うピンポイントの香りを勧めてくれることまちがいなしです!
基本情報
名称 | Sifr Aromatics |
営業時間 | 月曜・火曜を除き11:00~20:00 |
住所 | 42 Arab St, Singapore 199741 |
公式サイト | https://www.sifr.sg/ |
アラブストリートの絨毯といえばこのお店!HAJI TAWAKAL CARPETS
絨毯屋さんがずらーっと並ぶアラブストリートでおすすめなのはこのお店、HAJI TAWAKAL CARPETS!
おすすめのポイントはなんと言っても豊富な品ぞろえ。
イラン人ファミリーがこのお店を切り盛りしており、ペルシャ絨毯、ギャッベ、キリム、アフガニスタンの絨毯などが所狭しと並べられています。
豊富な品ぞろえというポイントだけではなく、嬉しいことに日本で買ったらとんでもない値段になるだろうな~という絨毯たちが安価で手に入るのです!
あまりにも絨毯の数が多く、ひとつひとつの絨毯を見ていくと一日では足りなくなるので、あらかじめなんとなく気になるサイズやデザインを考えておくといいでしょう。
気になっているサイズやデザインをスタッフさんに伝えれば、すぐにこの絨毯はどう?と広げてみせてくれます。
そして嬉しいことに、日本人のお客さんも多いため片言の日本語で接客してくれます。
絨毯だけではなくキリム、ギャッベのクッションカバーなども取り扱っているので、お土産として持ち運びやすいです。
お店を切り盛りしているMohammadさんはおしゃべり好きで、お店に行くたびにお茶とお菓子でおもてなしをしてくれます。笑
このお店ではスタッフさんたちが自らイランに出向き、絨毯を仕入れています。
そのため、もしお目当ての絨毯がどのお店を探しても見つからないな~というときなど、一度ここのスタッフさんに相談してみてください。次回の仕入れ時に特別に探し、連絡をしてくれますよ。
今回私がこのお店を訪れた際、マレー系のご婦人が珍しい蝶のデザインのギャッベを購入されていたのでお話を聞いてみると、どうしても蝶のギャッベの絨毯が欲しくて特別仕入れてもらったと嬉しいそうに教えてくれました。
お目当ての絨毯が手に入ること間違いなし。ぜひ足を運んでみてください!
基本情報
名称 | HAJI TAWAKAL CARPETS |
営業時間 | 毎日10:00~21:00 |
住所 | 52 Arab St, Singapore 199749 |
場所 | https://goo.gl/maps/g7iPxfijzeFqih9XA |
インド綿といえばこのお店!DILIP TEXTLES
ハンドメイドのインド綿がお手頃価格で手に入るお店DILIP TEXTLES。シンガポール在住者だけではなく、日本、欧米からの旅行客も数多く訪れるようで、そこそこの有名店です。
店内を覗くと、たくさんのテーブルクロスがひらひらと揺れていて、自然と涼やかな気分に。
DILIP TEXTLESではテーブルクロスやスカーフ、クッションカバーなど様々な商品を取り扱っておりサイズも豊富に揃っています。
正方形、長方形、円形など形もさまざまで、特に円形のテーブルクロスはソファにかけておいたり、ピクニックやビーチでシートとして使用したりなど、使い勝手がよくかなり人気のようです。
お値段はサイズにもよりますが、横130×縦180cmの長方形クロスが25SGD(日本円だと約2000円)などお手頃価格で購入できます。
気になるデザインの商品があれば、店員さんが広げて見せてくれるので、気軽に声をかけてみてください。
お客さんの中では、お店でインド綿を買いワンピースを作ったりカーテンを作るお客さんもいるようです。
店員さんがお客さんがインド綿から作ったワンピースを嬉しそうに見せてくれました。
基本情報
名称 | DILIP TEXTLES |
営業時間 | 日曜日を除き10:30~18:00 |
住所 | 74 Arab St, Singapore 199771 |
場所 | https://goo.gl/maps/Rp3WuveuuCMP8WHN6 |
まとめ
以上、アラブストリートの完全ガイドでした。少しでも参考になったなら幸いです。以下の記事もぜひご覧ください。